学生メンバー|Students

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原 望峰|Nozomi HARA

卒業論文では、メディアで取り沙汰される「ひとり向けサービス」や「ひとり行動」を調査し、アンケート調査などを通してその意義を考察した。孤独死や孤立が問題視され、人びとをいかにして「みんな」に包摂するかが注目されるなかで、それとは真逆に「過剰接続社会」に疑問を呈し、「ひとりでいる時間」がなぜ、どのように求められているかを論じるものであった。2020 年度のゼミリーダーを担当。

​修士論文では、コミュニティから離れて住むことを考えるために、バブル期に各所でつくられた芸術家村について調査している。

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田村 祐太郎|Yutaro TAMURA

卒業論文では、インターネットに掲載された個人の旅行記を分析し、そこに登場する場面のシークエンスを丹念に読み解くことで、経験のシークエンスを「主題景」「細部景」「転換景」「破調景」に分け、それらを構成する風景要素や旅のなかにおける演出的役割を論じた。2021年度にはゼミリーダーを担当。

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味⽅ 唯|Yui AJIKATA

卒業論文では、大学の屋外空間を観察し、大学生の滞留行動や学びの行動が生じやすい空間特性を論じた。戦前から存在する4 つの大学を対象に、フィールドワークを通して大学生の居場所の設えを観察し、7つの空間像と「学び」の行為との関係性を明らかにした。都市計画領域には滞留行動を俯瞰的に把握する研究は多いが、行為と空間の質に迫る考現学的手法を取り入れたものである。鳥の目/虫の目を往還しコモンズとしての空間を描出する研究であった。

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泉川 時|Toki IZUMIKAWA

卒業論文では、再開発が進行する都市部の神社の形態変容を、東京都内の神社空間の全数調査と神主へのヒアリングによって明らかにした。神社のモルフォロジーに関する膨大な調査もさることながら、近代都市の中で神社=前近代的なものがどのように生き残っていくかという、「オーセンティシティ」や「再帰的近代」の議論にかかわる高度な議論を展開し、「リミナルな空間」にはたらく諸力を論じる研究であった。

​修士論文では、地域の「なりわい」のエートスの継承を研究中。

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須栗 諒 | Ryo SUGURI

2021年度に空間言論ゼミへ転入。修士論文では、日本のシェアハウスがもつ様々な「共住の表象」を論じる研究を執筆中。

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河井 優|Yu KAWAI

卒業論文では、住宅の購入を検討している者と地域住民が意見交流を行う、マンション購入の匿名掲示板を調査し、彼らの関心がどこに向けられているのかを明らかにした。さらに「世帯年収」と「子育て」というふたつの論点について、それらの議論の背後にある偏見や思考様式を論じた。さらに最終的には、収入層が似通った世帯が集まる分譲マンションがつくる「垂直の地縁」が排他性を生むという原因にまで迫った。この論文は、日本建築学会・優秀卒業論文賞を受賞した。

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神作 希|Nozomi KAMISAKU

卒業論文では、渋谷のストリート文化に着目し、グラフィティの活動変容をそれが行われる空間と対応させて調査した。他方、アーティストたちへのヒアリングから、彼らが「アーティスト」としての顔と「ライター」としての顔を戦術的に使いこなす様子を明らかにした(景観ゼミ)。

修士課程より空間言論ゼミに所属。

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篠原 和樹|Kazuki SHINOHARA

卒業論文では、パンデミック下の郊外住宅地を調査し、自身の近隣で生活を充足しなければならない人びとが見出した路上の活動空間を「近隣公共域」と名付け、それらが行われている10の空間類型を導いた。そしてこれらの小さな空間を埋め込んでいくことが、ウィズ/ポストコロナの郊外のライフスタイルを再価値化する方策だと論じた。この論文は、日本建築学会・優秀卒業論文賞を受賞した。

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高橋 亮太|Ryota TAKAHASHI

卒業論文では、新型コロナウィルス流行に伴い、家族の複数人がテレワークをすることによって住空間がどう変化していくかを、膨大な図とデータによって可視化した。そして、住宅が「村化」と「都市化」のふたつの方向へ変化していく様子を多角的に描き出した。

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飯塚 宙 | Sora IIZUKA

卒業論文では、「座る・立つ・コーヒーを飲む」程度の行為しか想定されない日本の公共空間を批判し、ストリートバスケットという観点から「Vibrant City」を構想する研究を行っている。

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伊勢 佳那子 | Kanako ISE

卒業論文では、近年子育て世帯が流入している地域を対象に、子育てに適した環境と子育てへの不寛容性をめぐる出来事を採集する研究を行っている。

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沢藤 嶺|Rei SAWAFUJI

​卒業論文では、東日本大震災から10年間にわたるオーラルヒストリーを聴きながら、そのなかで位置づけ不明な「些細な断片の記憶」が数多く語られることに注目。

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大和 英理加 |Erika YAMATO

卒業論文では、都市の公共空間から滞留者を排除する「ディフェンシブ・アーキテクチャ」を可視化するワークショップを考案・実施している。

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山室 颯也 | Soya YAMAMURO

​卒業論文では、インターネットで募集され個人で参加するフットサル「個サル」を調査し、「蓄積によらない社会関係資本」の可能性を議論。

卒業生|Alums

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吉野 良祐|Ryosuke YOSHINO

卒業論文では、老後生活の格差化と死生観に関心を持ち、「開放型サービス付き高齢者向け住宅」に着目。事業者へのヒアリング、空間調査、居住者へのアンケート調査などを複合的に用い、高齢化社会にあらわれつつあるコミュニティのすがたを描いた。開放型サ高住という対象を発見したこと自体、都市計画学にとって価値のあることだったが、「教化」「社会化」などのコミュニティの在り方を論じたことも示唆的であった。修士課程にあたって、ゼミを転向。

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金子 柚那|Yuzuna KANEKO

2021年3 月に修士課程修了。卒業論文では、就労・居住の流動化や再編を試みる「ワーク・ライフデザイン」実践者に着目し、彼らのライフヒストリーや空間利用実態を調査した。新たなライフスタイルを模索する人びとを「ワーク・ライフデザイナー」と称した同論文は査読付き学術誌にも掲載され、ワーク・ライフバランスの次の就労・居住環境の展望が開かれた。2019 年度には ゼミリーダーを担当し、後輩たちの卒業論文指導にあたった。修士論文では卒業論文のテーマを延長し、流動的な人材と既存企業をマッチングする「ジョブ型雇用」を網羅的に調査し、そのなかで地方圏のジョブ型雇用を普及させるための方策について論じた。

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​小山 真由|Mayu KOYAMA

2021年3 月に修士課程修了。卒業論文では、火山灰が日常的に降り注ぐ桜島をフィールドにして、居住者が行っている工夫とその空間的発露を、ヒアリング・アンケート・フィールドサーヴェイを組み合わせた方法によって多角的に論じた。観察と聞き書きの膨大な作業によって、空間言論ゼミではこれまで行われてこなかった「デザイン・サーヴェイ」による建築空間調査と、人びとのふるまいや暗黙知とを結び付ける領域を拓いた。修士論文では、車中泊を行う人々への取材と車の使い方の考現学調査を行い、定住と流動をゆれうごく「遊動的な生」を空間、時間、思想という3つの切り口から論じた。

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​松浦 遥|Haruka MATSUURA

2021年3 月に修士課程修了卒業論文では、趣味や副業活動の舞台となっている東京圏のレンタルスペースをはじめて網羅的に調査し、オーナーへのヒアリングを通してその社会的な役割を論じた。石綿論文から続く「経験の地理」の手法を引き継ぎながらも、新たに台頭している都市空間の「リミナルな」占有方法であるレンタルスペースの意義を打ち出した。成果は査読付き学術誌に掲載され、事実上日本初のレンタルスペースを扱う建築・都市領域の論文となっている。修士論文では、地方移住者が編集するリトルプレスが、地域社会空間を編纂していく可能性を論じた。

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北條 光彩季|Misaki HOJO

2021年3 月に修士課程修了卒業論文では秋葉原の路上空間で展開される「趣味交換市場」の調査を行った(査読掲載済)。この調査は物理的な空間での人びとの位置取りや間合いの取り方だけでなく、来街者たちの目的や心理にまで迫るもので、「事前目的を達成する行動」によって形成される趣味交換市場だけでなく、「場当たり的な行動」によって形成されるそれを可視化することができた。修士論文では東京の主要な繁華街を回り、新型コロナウィルスのパンデミック下での繁華街の変貌を調査した。これらは「盛り場の反転」としてまとめられた。

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津島 英征 | Hideyuki TSUSHIMA

2020年3 月に修士課程修了。卒業論文では、東京都で行われてきた77の再開発事業を分析し、都市空間の更新に関する言説や目標像の変遷を論じた。のちに査読付き学術誌にも掲載され、言説分析に基づく「都市計画の社会史」とも呼べる新しい研究領域を拓いた。修士論文では一転し、奈良県橿原市をフィールドに新規参入者とコミュニティの再帰性に関する研究・実践を行い、「まちなじみ」という概念を提唱することで、社会関係資本論の「出来事論的転回」をねらった。

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田嶋 玲奈 | Reina TAJIMA

2020年3 月に修士課程修了。卒業論文では、都市計画領域の郊外研究で長らく注目されてこなかった千葉ニュータウンを対象に、開発当事者の語りと実際の空間変化を対置して、ニュータウン形成の社会史的記述を試みた(査読誌掲載済)。2018 年度にはゼミリーダーを担当。修士論文では、開発当時から時間が経過し、自治体にとって負の遺産となりつつある再開発ビルを対象に、その網羅的調査によって「再再開発」の方向性を模索してシナリオを示す、挑戦的な研究に取り組んだ。

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松永 幹生 | Mikio MATSUNAGA

2020年3 月に修士課程修了。卒業論文では、高田馬場での早稲田大学生の「慣習的空間利用」を観察することで、大学生たちが大学街にもつ独特な「場所の感覚」と、それらがいかに伝承されていくかを明らかにした。成果は査読付き学術誌に掲載され、本書「パフォーマティヴ場所論」の理論的支柱を準備した。修士論文ではレジャーと自然の消費に関心を持ち、新たに流行しているグランピングを網羅的に調査することで、それがどのような公共的効果をもちうるかを考察した。

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廣瀬 耀也 | Yoya HIROSE

2020年3 月に修士課程修了。卒業論文では、特徴的な若者集団である「マイルドヤンキー」に対する綿密なヒアリングを通して、都市計画研究が対象としてきた牧歌的な地元愛と対照的な、「不道徳な地元愛」の形成過程を明らかにした。のちに査読付き学術誌にも掲載され、エスノメソドロジーを取り入れた自由口述分析の端緒を拓いた。修士論文では1000 件以上に及ぶオフ会の調査から、多数派と少数派を分かつ様々な障壁とそれを乗り越える「再帰的共同」について論じた。

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澤田郁実|Ikumi SAWADA

2018 年度に在籍し、卒業論文を書き上げたのちに建築計画の古谷・藤井研究室に転入。卒業論文では、東京旧15 区の「まちかど」を評価することばを抽出するワークショップ手法を開発し、まちかどの分布特性やしつらえなどを分析した。物理的な「角地」と何らかの魅力がある「まちかど」とを区別し、地域のなかに萃点のような「まちかど」が発生する条件を探るもので、まちの「ツボ」を科学的手法によって評価する研究であった。

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李蔚|Lee WEI

2019 年3 月に修士課程修了。修士論文では、外国人居住者が増えつつある高島平団地をフィールドに、3つのコミュニティ・カフェで参与観察調査を行い、多国籍コミュニティのハブとなる役割を考察した。老朽化し居住者が少なくなった団地が外国人の流入の新たな受け皿となりつつあるなかで、外国人居住者自身が団地運営に関わり、転居後も通い詰めて広い範囲で社会関係を継続し続けている好例を、現場からの緻密なレポートによって明らかにした。

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鷹野 泰地 | Taichi TAKANO

2019 年3 月に修士課程修了。卒業論文では、新宿・渋谷・池袋といった繁華街のストリートパフォーマンスを綿密に調査し、路上空間の公共性と寛容性について論じた。修士論文では、綿密なヒアリング調査から一転し、科研費データベースをもとに研究者ネットワークの分析を行う高度な解析技術を開発した。これにより、人的資源のネットワークがつくる国土の構造や、周縁部に生まれる研究自立性の高い地域のあり方などを論じ、新たな研究領域を開拓した。

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竹田 顕哉 | Kenya TAKEDA

2018 年3 月に修士課程修了。卒業論文では、外国人観光客が急増する谷中銀座商店街における訪問客の滞留行動や空間特性を、観光客の行動観察を通じて論じた。修士論文では、インタビューと同行調査を通して外国人留学生の居住地選択と生活実態、それらを支える仕組みなどに迫った。都市における外国人の行動に迫る研究を一貫して行ってきたが、そのテーマは観光から居住、さらには彼らが直面する困難へと移っている。

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上井 萌衣 | Moe JOI

2018 年3 月に修士課程修了。卒業論文では、東京下町地域の住民間で行われる下町像の伝承行為の実態や世代間差異を論じた(査読誌掲載済)。ヒアリングから得られた「語り」をマトリックスによって可視化する手法は、のちに空間言論ゼミのオハコとなった。修士論文では雑誌記事の分析からリノベーション・ブームを多角的に論じ、対象となってきた建物の特徴や、付加される価値の類型、さらにヒアリングを通して事業者の参入動機などを明らかにした。

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小林 桃莉 | Tori KOBAYASHI 

2017 年3 月に卒業。卒業論文では、カーシェアリングが併設されたマンションを調査し、その導入過程や利用上の課題などを明らかにした。都心部での自動車利用が低調になるなかで、共助のインフラストラクチャーとしてマンション単位で共有される自動車があらわれたことに着目し、生活と密着した新たな交通の可能性を論じている。結論部では、カーシェアリングの「個別特化」、「ハイクオリティ化」、「低コスト&自由化」という三つの方針を示している。

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蔵田 夏美 | Natsumi KURATA

2017 年3 月に修士課程修了。修士論文では、趣味でものをつくり販売する人びとのつくる新しいコミュニティを取り上げ、「趣味市場」の実態を論じた。デザインフェスタのような大規模イベントに出向き、そこで集まっている人びとから普段の活動の様子を聞くことで、イベントを核として構成される無数の空間からなる「場所のシステム」を炙り出す手法を確立した。同論文は査読付き学術誌にも掲載された。

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福田 雄太 | Yuta HUKUDA

2016 年3 月に卒業。卒業論文では、首都高速道路の言説変遷をテキストマイニング法によって定量的に明らかにする分析手法を提示した。タイトル「巨大建造物が都市に定着する過程における社会評価の変遷」が示すように、都市的なスケールの事象が人びとに受け入れられるまでの過程を正面から扱った論文で、都市史をフーコーのいう「声と耳」の原理のような、新しい角度から扱う研究分野の端緒を拓いた。

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斎藤 千紗 | Chisa SAITO

2016 年3 月に修士課程修了。修士論文では郊外生活の持続可能性をテーマに、横浜市郊外部でなお人口が増加傾向の地域を抽出し、居住地選択を論じた。卒業論文から引き続き、条件が不利な地域にそれでもなお移り住む若年層を対象にした研究で、ここではコンジョイント分析など当該分野ではあまり行われてこなかった分析手法に挑戦している。本稿は最終的に、「沿線沿いに発生する地縁的居住地選択」という行動原理にまで行きついている。

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加藤 瞭 | Ryo KATO

2016 年3 月に修士課程修了。修士論文では、屋外広告物条例では取り締まれないグレーな「準屋外広告物」に着眼し、その設置特性や景観的特性を論じた。卒業論文から引き続き銀座をフィールドとした研究であったが、ここでは街路の連続立面の分析からはじまり、最終的には「都市のファサードがもつべき情報容量」にまで議論は展開した。同論文は査読付き学術誌にも掲載され、空間言論ゼミ初の査読付き論文(建築学会)となった。

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池尾 恵里 | Eri IKEO

2016 年3 月に修士課程修了。卒業論文から高齢者の生活圏に関心を持ち、修士論文では外出促進要因を分析。環境が似ており地理的に隣接するにもかかわらず高齢者の外出率が大幅に異なる地域を割り出し、居住者への丹念なヒアリングによって生活実態と居住歴を把握した。これにより、「居住圏と行動圏の変動領域」というバッファゾーンを発見し、この範囲を左右する環境要因を論じていった。

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吉江 優 | Yuh YOSHIE

2016年3月に修士課程修了。建築意匠の入江正之研究室からの見学者。卒業後はデザイナーとして働いているが、『空間言論読本』の表紙デザインを毎号担当している。