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空間×言論ゼミとは?|About "Space×Speech"

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空間言論ゼミは、早稲田大学創造理工学部・建築学科 後藤春彦研究室内に設けられた研究ユニットです。都市で生じている様々な事象を分析し、それぞれの都市論をつくる「想像力」を主題にすることで、都市計画学と社会・文化領域にまたがる知を織り上げることを目指しています。
2015 年の開設以来、学部4 年生、修士1・2 年生、講師の吉江俊を中心とする15 名前後で毎年活動し、成果は
90編の論文(2023年末現在)に結実しています。

​≫≫講師・吉江俊の紹介へ

Space and Speech Colloquium is a research unit established in Haruhiko Goto laboratory’s Department of Architecture at Waseda University. By analyzing various phenomena in cities, we aim to weave knowledge across city planning and social and cultural studies.
Since its establishment in 2015, we have been published in 90 academic papers, mainly by 4th year undergraduate students, 1st and 2nd year master's students, and assistant prof. Shun Yoshie.

これまでの活動|Archives

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2022

不連続統一体再論 大なるものと小なるものの克服止揚

ゼミ主催者の吉江が東京都現代美術館「吉阪隆正展 ひげから地球へ パノラみる」を企画監修したことを受けて、展覧会の見学とともに、吉阪の関連書籍を輪読した。吉阪は高度経済成長期に経済原理にしたがって都市が巨大化していく「大なるもの」と、ひとりひとりの人間存在や生活という「小なるもの」を止揚することを計画の主題としていた。2022年度の卒業論文・修士論文も、意識的に大なるもの・小なるものの応答関係に迫ろうとした論文にいくつか取り組まれた。

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2021

私たちが語らないこと 他者との交わりの不可能性と可能性について

『脱常識の社会学』輪読から始まり、ジェンダーや生殖などゼミで議論しにくいテーマを扱った1年だった。しかし考えてみてば、SNSではジェンダー、エスニシティ、格差、暴力や不条理にまつわる話題が日々発信されている中で、他ならぬ都市計画の分野が、関係ないそぶりでいるのは、どういうことなのか。年度末にはロシア軍がウクライナへ侵攻した。われわれが扱ってきたテーマがいかに脱政治的なものであったかに目を向けつつ、人間同士の「交わらなさ」や「ままならなさ」について考えた。

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2020

〈さなか〉から考える 感染症流行下でのアーバン・スタディーズ

新型コロナウィルスの流行は、5周年のまとめを終えたばかりの空間言論ゼミに新たな課題を課した。コミュニティや流動性などの都市計画の古典的な主題は再考されるし、研究では従来のようなヒアリングができず、地方に行くことも困難である。8つの論文はその試行錯誤の結果であり、どれも根源的な都市の存在意義や暮らしのありようへの問いに繋がっている。なんとかやり遂げた成果は、ふたつの「日本建築学会 優秀卒業論文賞」(河井・篠原ダブル受賞)につながった。

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2019

​9つの都市論を編む

空間言論ゼミ5年間の議論と卒業論文・修士論文の蓄積を踏まえて、社会に発信すべきテーマを9つにまとめた。9つのテーマはそれぞれ「包摂のインフラ論」「リミナル空間論」「パフォーマティヴ場所論」等と名付けられ、毎週の議論を経て内容が肉付けられ、5周年記念本『空間言論ゼミ その理論と手法』が完成した(内容のまとめは本ホームページ「RESEARCH」欄から閲覧可能)。本冊子はその議論の過程を丁寧にまとめたものである。

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2018

​歩きながら考える:「都市が考える」こと

『都市空間の地理学』の輪読を通した都市論の幅広い議論を踏まえて、三回連続のまちあるきとディスカッションを行った。まちあるきは昨年度の卒業論文のテーマにちなんで千葉ニュータウン、渋谷、南千住・北千住の3か所で行われ、「歩きながら考える」トレーニングの機会となった。ゼミ開設から4年目にして、「輪読・議論」と「まちあるき・議論」が研究の両輪として働く環境が整った。

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2017

三段階の思考:「無形学」を読む

ゼミ主催者・吉江が編集・執筆に携わった『無形学へ かたちになる前の思考』を輪読し、都市計画を更新するさまざまな「かたちになる前の思考」について論じた。従来の都市計画の議論から「かたちになる前」へ、そしてそこから再び計画へという三段階の思考を意識し、それぞれが卒業論文・修士論文に取り組んだ。

​活動のなかでは、昨年取り組んだ「図の知性」の次なる段階として、西山夘三や吉阪隆正、今和次郎をはじめとする「図の達人に学ぶ」活動も行った。

2016

図の知性:空間と言論を往還する

都市空間で実際に起こっている出来事の断片と、都市の全体を描く想像力との絶え間ない往還を目指すうえで有効なものに、「図」の存在が挙げられる。

「図の知性」では、考えた結果を分かりやすく表示する「インフォグラフィックス」と異なり、「図を使って考える」思考のあり方を目指し、いくつもの参考事例を採集し、それらの知性のあり方を分類した。ゼミでの研究は、個人が各々のテーマを決めて進めていくが、その手始めにみなが共有する「図の図鑑」をつくる活動を行った。

2015

都市への想像力:「都市論」の時空を横断する

都市空間で採集される断片から、その全体を論じる「都市論」という分野について、「想像力」をキーワードとして複数事例を読み解いていった。私たちが属する工学系の都市計画の研究領域では、当然、科学的な分析手法と悉皆的な調査法が重視されるが、それらの結果を結びつける「想像力」は重視されてこなかった。空間言論ゼミ初年度では、ゼミの姿勢を示す意味も込めて、さまざまな都市論に基づいて「都市とは何か」「何を描けば都市を描いたことになるのか」を議論した。

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